対象: ウェブデザイン技能検定2級を受験する方(平成28年度第2回 学科試験)
難易度: ★★★
所要時間: 約30分
平成28年度第2回の学科問題を、全40問すべて理由つきで解説します。
1. 2択問題(正しい=1、間違い=2)
第1問: ドライブバイダウンロード攻撃の説明
答え: 1(正しい)。ウェブページにマルウェアを埋め込み、閲覧しただけのユーザに気づかれないよう自動的にダウンロード・感染させる攻撃、という説明は正しいです。
第2問: 2016年9月現在、メディアクエリの仕様はW3Cによって勧告として公開されている
答え: 1(正しい)。Media Queries(Level 3)は2012年6月にW3C勧告として公開されており、2016年9月時点でも勧告として有効でした。
第3問: ウェブ上で扱う動画のフレームレートは、24fps以下としなければならない
答え: 2(誤り)。動画のフレームレートに、そのような制約は存在しません。用途や機器に応じて自由に選択できます。
第4問: HTML5のimg要素は、状況によってはalt属性を指定しなくてもよい仕様となっている
答え: 1(正しい)。HTML5の仕様では、画像がページの本質的な内容ではない場合など、特定の条件下でalt属性の省略が認められています。
第5問: 同時に2つ以上のJavaScriptライブラリを使用することはできない
答え: 2(誤り)。複数のライブラリを同時に読み込んで使うことは可能です(名前空間の衝突には注意が必要ですが、不可能ではありません)。
第6問: HTTPステータスコード「503 Service Unavailable」はアクセスが拒否されたことを示す
答え: 2(誤り)。503は、サーバが一時的に過負荷やメンテナンス中で応答できない状態を示すコードです。「アクセス拒否」を示すのは403です。
第7問: VDT作業における作業休止時間の説明
答え: 1(正しい)。作業休止時間は、単なる休憩時間ではなく、眼や姿勢の負担による疲労を防止するための時間である、という説明は正しいです。
第8問: ウェブブラウザは、ユーザエージェントの一つである
答え: 1(正しい)。ユーザエージェントとは、ウェブにアクセスするソフトウェアの総称で、ウェブブラウザはその代表的な例です。
第9問: レンタルDVDのコピー防止機能を解除し、個人的目的でコピーすることは違法行為とはならない
答え: 2(誤り)。著作権法では、私的使用目的であっても、コピーガード等の技術的保護手段を回避して行う複製は違法とされています。
第10問: インターネットは回線交換方式で、電話はパケット交換方式である
答え: 2(誤り)。説明が逆です。インターネットはパケット交換方式、従来の電話は回線交換方式です。
第11問: GIF形式は、ISO/IEC 15948として国際標準化されている
答え: 2(誤り)。ISO/IEC 15948として国際標準化されているのはPNG形式です。GIF形式はこの規格番号では標準化されていません。
第12問: ページビュー数は、通常ユニークユーザ数より多い
答え: 1(正しい)。1人のユーザが複数のページを閲覧するため、ページビュー数は通常ユニークユーザ数を上回ります。
第13問: HTML5のs要素は、正確ではなくなった部分や関係がなくなった部分を示す
答え: 1(正しい)。s要素の定義として正しい説明です。
第14問: 原点Oから点P(x, y, z)までの距離OPは、次のJavaScriptの計算式で求められる

答え: 1(正しい)。3次元空間での原点からの距離は「√(x²+y²+z²)」で求められ、Math.sqrt(x * x + y * y + z * z)はこの計算式を正しくJavaScriptで表現したものです。
第15問: HTMLやCSSにおいて、カラーネームで指定が可能な色数は256色である
答え: 2(誤り)。CSS仕様で定義されているカラーキーワード(カラーネーム)は拡張分も含めて約140種類程度で、256色ではありません。
2. 選択問題
第16問: 個人情報保護法における「公表」の事例として、該当しないものはどれか
- ①店舗販売においては、店舗の見やすい場所へ掲示すること
- ②通信販売においては、通信販売用のパンフレットなどへ記載すること
- ③自社の店舗・事務所内においては、ポスターなどに記載し掲示すること
- ④会員向けに限定されているウェブサイトにおいては、ID・パスワードによる認証を行い、さらに複数回操作した後に閲覧できる場所に記載すること
答え: ④。「公表」とは広く一般に知らせる行為を指します。認証が必要で、かつ複数の操作を経ないと辿り着けない場所への掲載は、一般への「公表」とはみなされません。①②③はいずれも一般の人が容易に見られる場所への掲示・記載です。
第17問: a要素にマウスオーバさせた時に、コンテンツが半透明になるものはどれか

答え: ②。半透明にするCSSプロパティはopacityで、値は0〜1の範囲の数値で指定します。②のopacity: 0.5;が正しい書き方です。①のtransparencyは存在しないプロパティ名、③の50%や④の50は値の指定方法として不適切です。
第18問: PHPにおいて、コメントとして使用できないものはどれか
- ①# コメント
- ②// コメント
- ③<!– コメント –>
- ④/* コメント */
答え: ③。PHPでは#、//、/* */の3種類のコメント構文が使えますが、<!-- -->はHTMLのコメント構文であり、PHPのコメントとしては機能しません。
第19問: 方眼紙のように格子状に分割してレイアウトするデザイン手法はどれか
- ①リキッドデザイン
- ②グリッドデザイン
- ③ソリッドデザイン
- ④アシッドデザイン
答え: ②。画面を格子(グリッド)状に分割して要素を配置するレイアウト手法が「グリッドデザイン」です。
第20問: h1要素の上に確保されるマージンは合計で何ピクセルになるか

- ①50px
- ②100px
- ③150px
- ④200px
答え: ②。h1要素はbody要素の最初の子要素で、間に境界線やパディングもないため、bodyのmargin-topとh1のmargin-topは「マージンの相殺(collapse)」という仕組みで1つにまとまります。相殺後のマージンは大きい方の値(この場合100px)になるため、答えは100pxです。単純に50px+100px=150pxと足し算しないよう注意しましょう。
第21問: 色光の三原色を16進数の値で表現した場合、1バイト目が定義する色として正しいものはどれか
- ①黒
- ②赤
- ③青
- ④緑
答え: ②。#RRGGBB形式の16進数カラーコードでは、1バイト目(最初の2桁)がR(赤)を定義します。
第22問: background-imageプロパティで、ウェブ上の画像を背景画像として定めたい。[A]に加えるべき文字列はどれか
; というCSSコード](https://design-levelup.com/wp-content/uploads/2018/02/06aa61ff6911d96e926dcbcf51a6e2d8.09.png)
- ①src
- ②link
- ③image
- ④url
答え: ④。background-imageで画像のパスを指定する際はurl()関数を使います。
第23問: memcachedやredisなどの配列のように、インデックスとデータの組を作り格納するものの総称は何か
- ①RDBMS
- ②Cookie
- ③KVS
- ④連想配列
答え: ③。memcachedやredisは「KVS(Key-Value Store、キーバリューストア)」と呼ばれる種類のデータストアの代表例です。④の連想配列はプログラミング言語内のデータ構造の名称であり、製品自体の分類名としては不適切です。
第24問: 画面サイズ360×640ピクセルのタブレット端末で最大サイズ表示した場合、適用されるCSSはどれか

- ①a.cssのみである
- ②a.cssとb.cssである
- ③a.cssとc.cssである
- ④端末を縦にするか横にするかで異なるため、判断することはできない
答え: ②。a.cssはメディアクエリの指定がないため常に適用されます。b.cssはmax-width:980pxの条件で、この端末は縦向き(360px)でも横向き(640px)でも、いずれも980px以下のため必ず適用されます。c.cssはmin-width:981pxが条件で、どちらの向きでも満たされません。よって向きに関わらずa.cssとb.cssが適用されます。
第25問: HTML5のvideo要素に関する説明として正しいものはどれか
- ①video要素はプラグインなしで映像の再生が行えるが、一時停止させることはできない
- ②video要素だけでは音声の再生は行えない
- ③video要素による映像再生はコーデックに依存する場合がある
- ④video要素ではSWFファイルを再生することができる
答え: ③。ブラウザによって対応するコーデック(H.264、VP8/9など)が異なるため、同じvideo要素でも再生できるかどうかがコーデックに依存することがあります。①一時停止は可能、②音声トラックも含めて再生できる、④SWFはFlash形式でありvideo要素では再生できない、のでいずれも誤りです。
第26問: HTML5で廃止された属性はどれか
- ①img要素のwidth属性
- ②label要素のfor属性
- ③th要素のcolspan属性
- ④table要素のsummary属性
答え: ④。table要素のsummary属性はHTML5で廃止されました。①②③はHTML5でも引き続き使用できます。
第27問: 1インチの中にいくつのピクセルがあるかを表す際に用いる単位はどれか
- ①dpi
- ②mph
- ③rpm
- ④ppi
答え: ④。ppi(pixels per inch)は、1インチあたりのピクセル数を表す単位です。dpi(dots per inch)は主に印刷のドット密度を表す単位として区別されます。
第28問: HTML5の要素の入れ子関係において、文法的に正しいものはどれか
- ①<a><h1> 〜 </h1></a>
- ②<article><main> 〜 </main></article>
- ③<header><footer> 〜 </footer></header>
- ④<div><span> 〜 </div></span>
答え: ①。HTML5でa要素はトランスペアレントなコンテンツモデルを持ち、h1要素のような見出しを子として含められます。②main要素はsection・article等のセクショニングコンテンツの子孫に置けないという制約に反します。③header要素・footer要素は、互いを子孫として含めることができません。④は開始・終了タグの入れ子順序が逆になっており、そもそも構文として無効です。
第29問: iframe要素が使用できないHTMLのバージョンはどれか
- ①HTML4.01 Strict
- ②HTML4.01 Transitional
- ③XHTML1.0 Transitional
- ④HTML5
答え: ①。iframe要素は、非推奨要素を除外したHTML4.01 StrictのDTDには含まれていません。Transitional系やHTML5では使用できます。
第30問: ウェブサーバへのセキュリティ対策として不適切なものはどれか
- ①公開する必要のないファイルは、公開用ディレクトリに保管しないようにする
- ②パスワード認証と公開鍵認証を併用するとサーバに負荷がかかり可用性が低下するため、パスワード認証以外の認証は行わないようにする
- ③運営に必要のないサービスは削除する
- ④脆弱性情報を随時入手して、OSやアプリケーションを最新の状態に保つ
答え: ②。実際には、パスワード認証に加えて公開鍵認証などを併用する多要素認証の方がセキュリティ上望ましいとされています。「パスワード認証以外は行わないようにする」はむしろセキュリティを弱める記述であり、不適切です。①③④はいずれも適切な対策です。
第31問: URIでメールアドレスを示すものはどれか
- ①mailto:foo@example.com
- ②mailto://foo@example.com
- ③smtp:foo@example.com
- ④smtp://foo@example.com
答え: ①。mailtoスキームの正しい構文は、コロンの後にスラッシュを付けない「mailto:アドレス」の形式です。
第32問: sRGBの説明として適切なものはどれか
- ①smart RGBの略称であり、従来のRGBから比較的多く使用される256色を選んだものである
- ②super RGBの略称であり、従来のRGBより多くの色数を表現できる
- ③standard RGBの略称であり、IECにより規格化された、色空間の国際標準規格である
- ④self RGBの略称であり、メーカーが独自に作成した色空間の規格である
答え: ③。sRGBは「standard RGB」の略称で、IEC 61966-2-1として国際標準化された色空間の規格です。
第33問: ISO 9241-210における空欄[A]に入る語句はどれか
「ISO 9241-210では、[A]とは、『製品、システムまたはサービスを使用した時、および/または使用を予測した時に生じる個人の知覚や反応』と規定している」
- ①ユーザビリティ
- ②ユーティリティ
- ③ユースフルネス
- ④ユーザエクスペリエンス
答え: ④。これはISO 9241-210における「ユーザエクスペリエンス(UX)」の定義そのものです。
第34問: ショッピングサイトの表示が「[A]」における「有利誤認表示」に該当する法律はどれか
「実際の商品は他社と同程度の内容量であるにもかかわらず、あたかも他社商品の2倍の内容量であるかのように表示した場合、[A]における『有利誤認表示』に該当するため、違法となる」
- ①不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)
- ②商標法
- ③特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任法)
- ④製造物責任法(PL法)
答え: ①。「有利誤認表示」は景品表示法上の用語で、商品・サービスの内容が実際より著しく優良・有利であるかのように示す表示を規制しています。
第35問: ECMAScriptはどこで実行されるか
- ①サーバサイドでのみ実行される
- ②クライアントサイドでのみ実行される
- ③サーバサイドでもクライアントサイドでも実行される可能性がある
- ④サーバサイドかクライアントサイドのいずれで実行されるかを、ウェブブラウザで指定することができる
答え: ③。ECMAScript(JavaScriptの仕様)は、Node.jsなどによりサーバサイドでも、ブラウザ上でクライアントサイドでも実行できる汎用的なスクリプト言語仕様です。
第36問: canvas要素に青い枠線の矩形を描くため、関数の最後の行[A]に加えるべきステートメントはどれか

- ①context2D.fillRect(20, 20, 200, 140);
- ②context2D.strokeRect(20, 20, 200, 140);
- ③context2D.closePath(20, 20, 200, 140);
- ④context2D.drawRect(20, 20, 200, 140);
答え: ②。図は塗りつぶしのない「枠線」の矩形なので、輪郭線だけを描くstrokeRect()が適切です。①のfillRect()は塗りつぶし矩形を描くメソッドで、枠線のみの図とは一致しません。③のclosePath()は引数を取らないメソッド、④のdrawRect()はCanvas APIに存在しないメソッドです。
第37問: 2016年に改正された「JIS X 8341-3:2016」の規格本文と内容が一致している規格はどれか
- ①ATAG 2.0
- ②WCAG 2.0
- ③UAAG 2.0
- ④WAI-ARIA 1.0
答え: ②。JIS X 8341-3:2016は、国際規格であるWCAG 2.0と技術的に整合するよう改正されました。
第38問: jQueryを用いたコードを、querySelectorを用いて記述したものはどれか

- ①var obj = document.querySelectorAll(‘.button’);
- ②var obj = document.querySelector(‘.button’);
- ③var obj = document.querySelectorAll(‘button’);
- ④var obj = document.querySelector(‘button’);
答え: ①。$('.button')はclass=”button”を持つ要素をすべて集めたjQueryオブジェクトを返します。同じ挙動をするのは、class名で複数要素を取得するquerySelectorAll('.button')です。②は最初の1つしか取得できず、③④はタグ名”button”で検索してしまうため、いずれも一致しません。
第39問: 画像におけるアルファ値の説明として適切なものはどれか
- ①0とした場合の色は白である
- ②0とした場合の色は黒である
- ③透過度情報の値のことである
- ④乗算情報の値のことである
答え: ③。アルファ値は透過度(不透明度)を表す値です。0にした場合は特定の「色」になるのではなく、完全に透明になります。
第40問: 冗長化されていないRAID構成はどれか
- ①RAID 0
- ②RAID 1
- ③RAID 5
- ④RAID 6
答え: ①。RAID 0はストライピングのみで冗長性を持ちません。RAID 1(ミラーリング)、RAID 5・6(パリティによる冗長化)はいずれも冗長構成です。
まとめ
- 親子要素間の「マージンの相殺」は、単純な足し算ではなく大きい方の値になる点に注意する
- 用語の混同に注意(回線交換⇄パケット交換、dpi⇄ppi、GIF⇄PNGの標準化番号など)
- jQueryとquerySelector/querySelectorAllの対応関係(単数取得と複数取得の違い)を正確に理解する
- アクセシビリティ関連規格(JIS X 8341-3とWCAG 2.0の対応関係)は頻出テーマ

