【H29第2回】ウェブデザイン技能検定3級過去問

平成29年度第2回 ウェブデザイン技能検定3級過去問

この記事の前提条件

対象: ウェブデザイン技能検定3級を受験する方(平成29年度第2回 学科試験)

ウェブデザイン技能検定3級の過去問には、正答番号は公開されていても「なぜその答えになるのか」の解説がありません。答え合わせはできても、間違えた問題を本当に理解できたかは別問題です。この記事では平成29年度第2回の学科問題を、1問ずつ理由つきで解説します。

このページは2017年の出題を学ぶための解説です。現行仕様の補足と当時の出題条件を区別して読んでください。現在の公式公開一覧では当該回の正答表を再取得できていないため、以下を公式正答の再照合済み一覧とは扱わず、手元の公式資料と照合してください。最新の問題は主催団体の過去問題公表ページで確認できます。

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1. 2択問題(正しい=1、間違い=2)

第1問: いかなる環境においても、インターネットにおける通信速度に差異はない。

答え: 2(誤り)。回線の種類・混雑状況・利用者数・サーバーの性能など、様々な要因で通信速度は変動します。「いかなる環境においても差異はない」と断定している時点で誤りです。

第2問: 動画ファイルであっても、拡張子がjpegであれば静止画として表示できる。

答え: 2(誤り)。ファイルの種類は拡張子ではなく実際のデータ形式(内部構造)で決まります。動画データの拡張子だけをjpegに書き換えても、画像ビューアは中身を正しく解釈できず、静止画としては表示できません。

第3問: CSSの仕様上、ボックスのマージン領域は常に透明であり、背景を表示させることはできない。

答え: 1(正しい)。CSSのボックスモデルにおいて、背景色・背景画像が適用される範囲はコンテンツ・パディング・ボーダーまでで、マージン部分には適用されません。マージンは常に透明な余白です。

第4問: 著作権法において、ウェブサイト内にコピーライトの記載を行わなかった場合、そのウェブサイトの著作権を放棄したことになる。

答え: 2(誤り)。日本の著作権法では、著作物を創作した時点で自動的に著作権が発生します(無方式主義)。「©」表記やコピーライト表示の有無は著作権の発生・存続に影響しません。

第5問: ユーザエージェント(UserAgent)は、HTTPヘッダに含まれている。

答え: 1(正しい)。ブラウザがサーバーにリクエストを送る際、使用しているブラウザやOSの情報を「User-Agent」というHTTPリクエストヘッダに含めて送信しています。

第6問: ディスプレイ画面との視距離はおおむね40cm以上が適正とされている。

答え: 1(正しい)。VDT(Visual Display Terminals)作業に関するガイドラインでは、目の負担を減らし、キーボードや書類との視距離の差を抑えるため、概ね40cm以上の視距離を確保することが推奨されています。

第7問: HTML5では、タグの省略は一切認められていない。

答え: 2(誤り)。HTML5の仕様には「閉じタグを省略できる要素」が定義されています(例: <li><p>の終了タグは文脈によって省略可能)。「一切認められていない」は誤りです。

第8問: アクセシビリティに配慮するのであれば、テキストとその背景のコントラスト比は可能な限り低くした方がよい。

答え: 2(誤り)。必要なのは十分なコントラストであり、「低いほどよい」ではありません。WCAGの達成基準1.4.3では、通常の文字は4.5:1以上、大きな文字は3:1以上が基準です(ロゴや装飾などには例外があります)。「可能な限り高くする」という無制限の要求とは区別しましょう。

第9問: FTPサーバは、匿名ユーザからのアクセスを許可する設定ができる。

答え: 1(正しい)。FTPサーバには「Anonymous FTP」と呼ばれる、ユーザー認証なしで誰でもアクセスできるように設定する機能があります(セキュリティ上のリスクがあるため実務では注意が必要です)。

第10問: 自分や不正取得した第三者のマイナンバーをウェブ上で公開することは、マイナンバー法において処罰の対象となる。

正答番号は公式資料との照合待ちです。以前の解説は「公開が制限されること」と「直ちに刑罰の対象になること」を混同していました。個人情報保護委員会の注意喚起は、自分の番号の公表が提供制限に違反する可能性を示していますが、それだけであらゆる公表に刑罰が科されるとはいえません。罰則は行為の要件によって異なるため、この設問は出題当時の法令と公式正答を確認するまで暗記用の断定を保留します。

2. 選択問題

第11問: アンシャープマスクの説明として最も適切なものはどれか

  • ①ピクセル間の色の差を強調するフィルタ
  • ②画像全体をぼかすフィルタ
  • ③隣接するピクセルの色を同じにするフィルタ
  • ④画像全体を暗くするフィルタ

答え: ①。アンシャープマスクは、輪郭(色の境界)付近のコントラストを強調することで、画像をシャープに見せるフィルタです。ぼかす(②)のではなく、その逆の効果を持ちます。

第12問: 問い合わせ先の電話番号を掲載する場合、どの要素でマークアップすべきか

  • ①b
  • ②span
  • ③strong
  • ④address

答え: ④<address>要素は、そのページ(または記事)の作成者・問い合わせ先の連絡先情報を表すための要素です。電話番号やメールアドレスなど、連絡先情報のマークアップに使うのが適切です。

第13問: CSS2.1の仕様に含まれていないdisplayプロパティの値はどれか

  • ①none
  • ②flex
  • ③block
  • ④inline

答え: ②display: flex;はCSS2.1ではなく、その後策定された「CSS Flexible Box Layout Module」という別の仕様で追加された値です。この設問では現行CSS全体ではなく、CSS2.1という指定範囲で判断します。

第14問: マルウェア対策として不適切なものはどれか

  • ①信頼性の低いウェブサイトから、安易にプログラムをダウンロードしないこと
  • ②見知らぬ相手からのメール添付ファイルを安易に開かないこと
  • ③マルウェア感染に備え、ファイルのバックアップを定期的に行い保存すること
  • ④アップデート通知が届いても、修正プログラムはすぐに適用せず現状を保ち続けること

答え: ④。セキュリティアップデートには既知の脆弱性を修正する内容が含まれていることが多く、適用を先延ばしにするほど攻撃を受けるリスクが高まります。①〜③はいずれも一般的に推奨される正しい対策です。

第15問: 番号付きリストを図のように表示するHTMLはどれか

東日本(1〜4)と西日本(5〜7)で番号が連番になっている、2つの<ol>リストを表示する問題です。

番号付きリストの表示例と4つのHTMLコードの選択肢

答え: ②。2つ目のリストの開始番号を5にするには、<ol>タグにstart="5"属性を指定します。選択肢①は<li>タグ側にstartを付けていますが、start属性は<ol>要素にのみ有効です。③のnumber属性はHTMLに存在しない架空の属性、④は実際には<ol start="5">で実現できるため誤りです。

第16問: ウェブページの表示や挙動がユーザにとって予測しやすいものはどれか

  • ①ナビゲーションがページごとに違う順序で表示される
  • ②同じ機能を提供するコンテンツブロックは、どのページでも同じように表示される
  • ③「確認」ボタンをクリックすると、入力情報がシステムに登録される
  • ④文字を選択したとき、選択した文字が消えたように見える

答え: ②。WCAGの「予測可能」のガイドラインでは、同じ機能のコンテンツはサイト内で一貫した位置・表示にすることが求められます。①はナビゲーションの一貫性が崩れており、③は「確認」ボタンで即登録されるのはユーザーの予測(確認してから次に進む)を裏切る挙動、④は見た目上の不具合であり、いずれも予測しやすさとは逆の例です。

第17問: ラジオボタンのHTMLコードで、A・B・Cのいずれにも使わない属性はどれか

ラジオボタンのHTMLコードでA・B・Cの3箇所が空欄になっている問題
  • ①on
  • ②checked
  • ③type
  • ④for

答え: ①。図のコードを埋めると、Aにはtype(type="radio")、Bにはid=”yes”のラジオボタンをあらかじめ選択状態にするchecked、Cにはlabelとinputを紐づけるforが入ります。つまりtype・checked・forはすべて使われており、使われていないのは「on」です。

第18問: 個人情報保護法における「本人の同意」の事例に該当しないものはどれか

  • ①「同意します」の確認ボタンを本人がクリックすること
  • ②同意することが書かれた書面を本人から受け取ること
  • ③同意することが書かれた本人からの電子メールを受信すること
  • ④同意手続きをウェブサイトで公開し、読むように本人にメールで知らせること

答え: ④。①〜③はいずれも本人が能動的に同意の意思表示をした行為ですが、④は事業者側が一方的に案内を送っただけで、本人が実際に同意したかどうかの意思確認ができていません。「知らせた」だけでは同意の事例には該当しません。

第19問: 同じID・パスワードの使い回しで被害にあいやすい攻撃はどれか

  • ①セッションハイジャック
  • ②DDoS攻撃
  • ③パスワードリスト攻撃
  • ④ドライブバイダウンロード攻撃

答え: ③。パスワードリスト攻撃は、どこかから流出したID・パスワードの組み合わせを使って、別のサービスへの不正ログインを試みる攻撃です。複数サービスで同じ組み合わせを使い回していると、1つのサービスからの情報流出が他のサービスの不正ログインに直結してしまいます。

第20問: 音声ファイルの拡張子はどれか

  • ①bmp
  • ②tiff
  • ③wav
  • ④gif

答え: ③。bmp・tiff・gifはいずれも画像ファイルの拡張子です。wav(WAVE)は音声データを保存するための拡張子で、この中で唯一の音声ファイル形式です。

第21問: XHTML1.0とHTML5であらわす意味が異なる要素はどれか

  • ①p
  • ②strong
  • ③q
  • ④blockquote

答え: ②。XHTML 1.0の基礎となるHTML 4のstrongは「より強い強調」現在のHTMLのstrongは「強い重要性・深刻さ・緊急性」を表します。単に太字にするための要素という意味ではありません。

第22問: CSS2.1において、clearプロパティの適用対象として定義されている要素はどれか

  • ①インライン要素
  • ②ブロックレベル要素
  • ③floatプロパティが指定されている要素
  • ④すべての要素

答え: ②。CSS2.1の仕様上、clearプロパティはブロックレベル要素に対して定義されているプロパティです。float指定された要素の回り込みを解除する目的で使われますが、プロパティの適用対象自体はブロックレベル要素とされています。

第23問: 画像を表示できないとき、代わりのテキストを指定する属性はどれか

  • ①alt属性
  • ②title属性
  • ③readonly属性
  • ④placeholder属性

答え: ①alt属性は、画像が表示できない状況(読み込み失敗・スクリーンリーダー利用時など)で、画像の代わりに読み上げ・表示されるテキストを指定するための属性です。意味を伝える画像には、その役割に合う代替テキストを指定します。純粋な装飾画像ではalt=""とし、不要な読み上げを避けます。

第24問: 「製品やシステムの利用によってもたらされる人々の知覚と反応」を表す語句はどれか

  • ①インタラクションデザイン
  • ②コミュニケーションデザイン
  • ③ユーザインタフェース
  • ④ユーザエクスペリエンス

答え: ④。これは「ユーザエクスペリエンス(UX)」に対応する説明です。UIが「操作するための仕組み」を指すのに対し、UXは「利用や利用を予期することによって生まれる知覚・感情・反応」全体を指す、より広い概念です。

第25問: 段落1と段落2の間のマージンによる間隔は何pxになるか

p要素にmargin: 50px 30pxを指定したHTMLコード
  • ①30px
  • ②50px
  • ③60px
  • ④100px

答え: ②margin: 50px 30px;は上下方向に50px、左右方向に30pxを指定するショートハンドです。段落1のmargin-bottom(50px)と段落2のmargin-top(50px)が接する場合、CSSの「マージンの相殺(margin collapsing)」という仕様により、2つの余白は合計されるのではなく、大きい方の値だけが採用されます。通常のブロック配置で正のマージンが隣接するこの例では、実際の間隔は50px+50px=100pxではなく、50pxになります。

まとめ

  • 2択問題では、断定的な表現(「一切」「常に」等)が使われている場合は例外がないか疑ってみる
  • アクセシビリティ関連の問題は「利用者にとってどちらが親切か」で考えると判断しやすい
  • CSSのマージン相殺(margin collapsing)のように、単純な足し算にならない仕様は要注意
  • 間違えた問題は、正解番号を覚えるだけでなく「なぜその選択肢が正しいのか・他が違うのか」まで理解しておくと、似た問題にも対応しやすくなる

仕様・制度の確認先

著作権の発生は文化庁の無方式主義の説明、画面との距離は厚生労働省の情報機器作業ガイドライン、display・clearはW3CのCSS仕様で確認できます。制度・仕様の補足確認日:2026年9月7日。