Photoshopで写真の不要なものを消す方法【生成塗りつぶしAI】

この記事の前提条件

対象ツール: Photoshop(2023年10月以降のバージョン。生成AI機能はCreative Cloudでのサインインと生成クレジットが必要)
難易度: ★☆☆(操作自体はとても簡単です)
所要時間: 約5分

旅行やお出かけで撮った写真、いい感じに撮れたのに電線や看板、通りすがりの人が写り込んでしまって残念…ということ、ありますよね。以前ならスタンプツールやコピースタンプでコツコツ修正するしかなかった作業ですが、今はPhotoshopの「生成塗りつぶし」というAI機能を使えば、数クリックで自然に消せてしまいます。

この記事では、生成塗りつぶしを使って写真の不要なものを消す方法と、きれいに仕上げるコツ、実務で気をつけたいポイントをまとめて解説します。

生成塗りつぶしとは

生成塗りつぶし(Generative Fill)は、Adobe Fireflyの生成AIを使って、選択した範囲を自動で自然に補完・生成してくれる機能です。プロンプト(文章での指示)を入力すれば、選択範囲に新しいものを描き足すこともできますし、プロンプトを空欄のまま実行すれば、周囲の背景に馴染むように自然に「消す」こともできます。今回は主に「消す」使い方を中心に紹介します。

実際に使ってみる

選択ツールで消したいものを囲む

選択ブラシツールや投げなわツールなどで、消したい対象を選択します。

コンテキストタスクバーの「生成塗りつぶし」をクリック
プロンプト欄は空欄のまま「生成」を押す

何も入力しないと、AIが周囲の情報から「ここには何もなかったらどう見えるか」を判断して自動で埋めてくれます。

プロパティパネルから気に入った案を選ぶ

1回の生成で複数のバリエーションが作られるので、一番自然に見えるものを選びます。どれもしっくりこない場合は「生成」をもう一度押せば、新しいバリエーションが作られます。

きれいに消すためのコツ

生成塗りつぶしは、選択範囲の「外側」の情報を手がかりに補完する仕組みです。そのため、選択範囲の作り方次第で仕上がりの自然さがかなり変わってきます。

  • 消したいものぴったりではなく、少し余白を持たせて選択する。境界線ギリギリに選択すると、輪郭が不自然に残ってしまうことがあります
  • 複雑な背景(人混みや細かい模様など)は、1回で完璧を狙わず、範囲を小さく分けて何度か生成し直す方が成功率が上がります
  • ものを「足す」時にプロンプトを入れる場合は、単語1つより「,(カンマ)」区切りで具体的な情報を並べる方が精度が上がりやすいです(例:「花」より「桜, ピンク, 満開」)

現代的な選択肢: AIモデルを選べるようになった

最近のPhotoshopでは、生成塗りつぶし実行時に使用するAIモデルを選択できるようになっています。コンテキストタスクバーのモデル選択メニューから、Adobe純正のFireflyモデルだけでなく、Gemini(Nano Banana)やFLUXといった外部パートナーのモデルも選べるので、思ったような結果にならない時は、モデルを変えて試してみるのも一つの手です。写真の傾向やテイストによって得意不得意があるので、いくつか試し比べてみることをおすすめします。

⚠️ 実務での注意点

生成塗りつぶしは便利な反面、いくつか知っておきたい制約があります。

  • 生成クレジットの消費: 1回の生成ごとにクレジットを消費します。Creative Cloudのプランによって月間の付与量が異なるので、業務で多用する場合は残量に注意しましょう
  • 日本特有のモチーフはやや不得意: 梅の花や和装など、日本文化に特有の細かいモチーフは、精度が上がってきているとはいえ、まだ違和感が出ることがあります。仕上がりは必ず目視で確認しましょう
  • ネットワーク接続が必須: クラウド上のAIで処理するため、オフライン環境では使えません
  • 商用利用ではFireflyが安心: Adobeが「商用利用に配慮した学習データで作られている」と明言しているのはFireflyモデルのみです。外部パートナーのモデルは仕上がりが良い場合もありますが、クライアントワークなど著作権リスクを避けたい場面ではFireflyを選んでおく方が無難です

まとめ

  • 生成塗りつぶしは、選択範囲をプロンプトなしで生成するだけで、不要なものを自然に消せる
  • 消したいものより少し余白を持たせて選択すると、輪郭が自然に仕上がりやすい
  • 複雑な背景は範囲を分けて複数回生成する方が成功率が高い
  • 使用するAIモデルを切り替えられるようになったので、うまくいかない時はモデル変更も試す
  • 生成クレジットの消費・日本特有モチーフの精度には注意し、仕上がりは必ず目視確認する

スタンプツールでコツコツ修正していた作業が、今は数クリックで済む時代になりました。写真の背景を透明にしたい場合はPhotoshopで背景を透明にする4つの方法、背景を違和感なく伸ばしたい場合はPhotoshopで背景を違和感なく伸ばす方法もあわせてチェックしてみてください。

まだPhotoshopを使ったことがない方は、Adobe Creative Cloudの体験版から試してみるのもおすすめです。